南アルプス甲斐駒ヶ岳~鋸岳の縦走

南アルプス甲斐駒ヶ岳~鋸岳の縦走

サントレース通信は、お久しぶりの更新です。
国際山岳ガイド 「サミットガイドオフィス」の篠原 達郎さんと
登山ガイド 橋尾歌子さんによる 甲斐駒ケ岳、鋸岳縦走レポートを頂きました。

通常岩稜歩きではストックを使わないように注意されているため
橋尾さんも岩稜帯ではストックをしまい、ガレ場の登り下りでストックを使用されたそうです。
フォールダーFREEをお持ちいただき、
『ストックががあったおかげで助かりました。
傾斜がきついのでなかったらすごく大変です。』 とコメント頂きました。

以下、橋尾さんのレポートです。
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天気が悪い週末が続き、このところ思うように山に行けなかった。
10月の三連休、南アルプスの甲斐駒ヶ岳から鋸岳の縦走を計画。
初日は北沢峠に泊まり、二日目は、朝から土砂降りだった。
この日は甲斐駒ヶ岳に登頂し、南側の六合目避難小屋に宿泊。
危険箇所はないので計画通り出発すると、甲斐駒ヶ岳の山頂直下から天気は回復してきた。

まるでカーテンを開くように、白いガスが右から左に移動していく。
北岳から遠く塩見岳までを山の連なりを見ることができた。鳳凰三山ははるか下だ。
六合目避難小屋に泊まり、翌朝は快晴。鋸尾根を縦走する。
中の沢乗越で一休みし、目の前にそびえる第二高点に圧倒される。
傾斜がきついので、ここでストックを出した。
きつい傾斜は、高度が上がるのが早い。
30分ほどで第二高点に着いた。すぐ近くに第一高点が見えている。
第二高点から先、高ギャップ、大ギャップ、鹿ノ窓などの難所が続く。

近くに見えていた第一高点までは思った以上に時間がかかる。
第一高点からは、甲斐駒ヶ岳からの歩いてきたルートを一望することができた。

あぁ、いっぱい歩いたなぁ。

色づき始めた山肌を、白いガスが音もなく登ってきて、甲斐駒ヶ岳の山頂を隠そうとしていた。
さて、ここからもう少し進み、、長い長い角兵沢の下山が続く。

 

中ノ川乗越から第二高点への急な斜面を登る。背後に甲斐駒ヶ岳がそびえ、
その手前に日向山までの縦走路が見える。
日向山までの縦走路は、約8時間の行程だが、最近登山道が整備され、登る人が増えているようだ。

 

急な登りを終え第二高点へ。第一高点は意外に近く見える。

 

大ギャップ、鹿ノ窓、小ギャップなどの難所を越え、鋸尾根最高峰の第一高点(2685m)へ。
甲斐駒ヶ岳から歩いてきた長い登山道と、背後の北岳を見た。
南側には、中央アルプスや北アルプスまでを見ることができる。
白い雲が下から湧いてきて、それらを隠そうとしている。

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篠原達郎さん、橋尾歌子さん、貴重なレポート、お写真をありがとうございました。

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